神奈川自治体問題研究所



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理事長 大須眞治のごあいさつ


 大須眞治理事長が新年のごあいさつを、申し上げます。

大須理事事長の写真  2018年 新年おめでとうございます。
 昨年は、横浜と鎌倉で一昨年に引き続いて市民自治研を成功させ、第45回神奈川自治体学校は、延べ312名の参加を得て成功させることができました。
 また、川崎、鎌倉、藤沢の3支所と横浜、相模原、三浦半島、西湘の4地域研究会の活動も着実に進んでいます。改めて御礼申し上げます。
 さて、昨年は世界各地でテロが頻発し、北朝鮮の核ミサイル実験に対する国連の制裁決議が行われるなど激動の年でした。アメリカトランプ大統領の「エルサレムはイスラエルの首都 である」という発言は中東地域に新しい紛争の種をまいたものと言えるでしょう。その中で核廃絶決議が国連において多くの国々の賛成で可決されたことは、数少ない明るい話題です。
 日本では、台風、大雨による洪水、火山噴火などの自然災害が際立った年でした。
 また、安倍暴走政治によって憲法と地方自治の危機が一層深刻なものとなりました。
 安倍政権の暴走と改憲への野望をストップさせ、立憲主義と民主主義に立脚する政府を私たちの手でつくっていかなければ なりません。
 『国立景観裁判・ドキュメント17年』という本が昨年暮、出版されました。この本はご存知の通り、国立景観求償裁判の全容を明らかにしたものです。
これを読んで、私が直観したのは“求償による住民自治の圧殺”ということでした。求償を使った住民運動の圧迫が今後大きな課題になると思いました。
求償というのは国家賠償法第1条の規定です。その内容は「第1条 国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって 違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。A前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があったときは、国又は公共団体は、 その公務員にあるように公務員に故意又は重大な過失があったときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。この第2項が問題の中心になりました。
 ご存知の通り、国立市は東京郊外の美しい景観を誇る町です。しかもこの美しさは偶然にそうなったのではなく市民が意識し、守り作り上げてきたものだったのです。 そこに明和地所株式会社によるマンション建設計画が起りました。
 それに関連する地域について、建物の高さを20m以下にする高さ制限地区計画条例案は最終的には市議会で制定されました。
これに対して明和地所が市を営業妨害として訴え、賠償金2500万円と金利合わせて、3,123万9726円を市は明和地所に支払いました。
この賠償金3124万9726円を明和地所が市に寄付することになりこの件は落着したに見えましたが、2009年5月にすでに市長を退職していた上原氏に対して、4人の市民が国立市の支払った3123万9726円は上原元市長に求請せよという住民訴訟を提案しました。 そして2011年12月市が「賠償金を上原が支払え」との裁判(国立景観求償裁判〉が始まりました。
市長としての上原氏が重大な故意または過失を犯したことを論証する裁判が始まり、一審判決は「景観保持という政治理念に基づく行為」とし上原氏勝訴となりましたが、 次の高裁判決では上原氏による「住民運動の利用」とされ、さらに最高裁は上告棄却・上告不受理で判決が確定しました。上原氏への救済が確定しました。
損害賠償額3,123万9,726円は「私は上原公子」の市民運動で完済し、市民運動は完全勝利しましたが、「救済」による市民運動弾圧の手法は今後に残されることとなりました。 権力を握る者は常にこのように、市民運動の圧殺を目論んでいます。国立景観裁判では結果的には住民運動の圧勝で終わらせることができましたが、 いつでも住民運動の切り崩しは目論まれているので、一瞬の油断もゆるされないと思います。
 新年早々の時期にこのようなご挨拶はこのましくないことは重々承知の上であえて、お話しさせてもらいました。
 来年は神奈川県知事をはじめ首長と議会議員の多くが改選される統一地方選挙が行われます。人権と平和を守り、住民が主人公の自治体を取り戻す絶好のチャンスです。 今年をみんなで力を蓄える一年にするため頑張ってまいりましょう。
2018年1月

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2018年1月5日更新